70代でガタがくる 40代で始める「健康寿命」延ばし方

健やかに長生き/(C)日刊ゲンダイ
健やかに長生き/(C)日刊ゲンダイ

 日本人が健康に生きられるのは70代前半まで――。
 こんな調査結果が発表された。厚労省が行っている「健康寿命」調査で、男性は71.19歳、女性は74.21歳だった。「介護の必要がなく健康的に生活できる期間」という報道もあったため、ギョッとさせられた人もいるだろう。

 日本人の平均寿命は男性が80.21歳、女性が86.61歳。この数字から健康寿命を差し引いたら、男性は9年間、女性は12年、介護が必要という計算になる。本当か。厚労省に問い合わせたところ、こんな答えだった。

「介護だけでなく、日常生活に制限があると感じている人の年齢を表す数字です。たとえば薬を飲むのを制限と感じる人もいる。そうした人たちの平均年齢なのです」(健康増進課)

 要するに、「介護を受けている」「歩行に杖が必要」「内臓に病気を抱えている」など、何かしら健康への悪影響を感じている人の年齢なのだ。

■3年に1度は健康診断を

「分かりやすく言えば、体にガタがくる年齢です」とは医学博士の米山公啓氏。
「人間の多くは病気の遺伝子を持っていますが、発症するかしないかは個人差が大きい。高血圧の遺伝子があり、30代で発症したのに放っておいたら60代で重症化。脳卒中や心筋梗塞で倒れたりします。一方、病院に通い、薬や食生活で節制している人は病気を抑えることができる。心がけ次第で健康寿命を延ばすことができます」

 米山氏によれば、健康寿命を延ばすためには40代から準備を始めることが大切だという。

「『ストレス解消』『食事は腹8分目』『1日40分ウオーキング』の3項目を心がけることが重要です。40歳になったら健康診断を受け、異常が見つかったら必ず専門医に診てもらってください。異常なしの人でも3年に一度は健康診断が必要です。足腰を丈夫にするには、50代から無酸素運動のスクワットと有酸素運動のウオーキングを組み合わせて体を鍛える。筋力を維持できるため年を取っても健康でいられます」(米山公啓氏)

 年を取ったあと、慌てても遅いということらしい。

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