「1本で1日分」もマヤカシ 市販野菜ジュースに潜むリスク

野菜そのものを食べなきゃダメ/(C)日刊ゲンダイ

「どこの国の野菜がどれだけ使われているか、はっきりとは分からないので、残留農薬が懸念されます。輸入される時に一応の検査をしていて違反はないといいますが、リスクがつきまとっているのが現状です」(安部氏)

 健康にいいどころか、逆に不安になるが、野菜ジュースのリスクはこれだけではない。近年、国際的に問題視されている「硝酸態窒素」の不安があるという。硝酸態窒素は、葉を大きく育てるために使われる窒素系の肥料を大量に与えた際に野菜が取り込み、未消化のまま野菜の中に残ってしまう。

「これを人間が大量に摂取すると、メトヘモグロビン血症を起こし、酸欠状態になって全身が青くなる症状が出る可能性があります。EUでは硝酸態窒素の残存量に厳しい基準を設けていますが、日本には基準がありません。そのため、EUの基準の3倍近い残存量が検出され、日本の野菜が輸入禁止になるケースもあります。水道水は1リットル当たり10ミリグラムに設定されていますが、市販の野菜ジュースを民間が分析したところ、20~180ミリグラムが計測されています」(安部氏)

 飲みやすくするために果物をミックスした野菜ジュースも多いが、体によさそうだからと飲みすぎると糖分の過剰摂取につながってしまう。

 ジュースに頼らず、野菜はそのものを食べた方がいい。

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