スーパーの豚レバー2~3%が感染 急増中「E型肝炎」の恐怖

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 HEVは、豚や野生のイノシシを介して感染する。イノシシが多い山にいる野生のシカも感染源になる。「野生のイノシシやシカなんて食べる機会がない」と東京や大阪に住む人間は思うかもしれないが、これらが多く取れる地域では、家庭で食べることはとりたてて珍しいことではない。

「厄介なのは、豚やイノシシ、シカがHEVに感染していても全く症状が出ないことです。ある地域で重症のE型肝炎発症例が相次いだので調査を行うと、市販の豚レバーからHEVが検出されました。養豚場の豚は飼育中にほぼ100%がHEVに感染しますが、症状を出さないので養豚農家も気づかず、商品として流通してしまうのです」

 その中には、健康に育っていることを証明する「SPF豚」も交ざっている可能性がある。

「北海道のスーパーで売られている豚生レバー363個を調べたところ、7個(約2%)からHEVが見つかりました。東京のスーパーでも無作為に豚生レバーを購入し、調べたところ、やはり2~3%にHEVが見つかりました」

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