スーパーの豚レバー2~3%が感染 急増中「E型肝炎」の恐怖

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

■劇症肝炎を起こして死亡することも

 HEVの潜伏期間は比較的長く、2~8週間、平均6週間だ。

「B型・C型肝炎ウイルスは、感染すると慢性化し、人から人へと感染させる場合がありますが、HEVは基本的に一過性で、人から人への感染もありません。しかし重症化すると、劇症肝炎で死に至ることもある。高齢者ほど発症しやすく、重症化しやすい。あえて直感的に数字をいえば、60歳以上なら50%が発症し、そのうち50%くらいは重症化すると思っていい。慢性の肝疾患がある人は、年齢が若くても発症・重症化のリスクが高い」

 中高年男性の感染・発症が圧倒的に多いが、「おそらく、その年代の男性は豚レバーなどのホルモン類を食べる機会や、脂肪肝など慢性疾患を持っている率が高いからでしょう」と三代部長は指摘する。

 感染・発症を避けるには、火を十分に通して食べること。

 65度で1時間加熱してもHEVは死なないので、赤い部分が残らない程度まで、しっかり加熱する。HEVは肝臓や腸管に多い。肉には少ないが、血管が通っているので、HEVがゼロとはいえない。ジビエ料理の人気で、イノシシやシカ肉を提供する店も増えているが、豚同様に、要注意だ。

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