異動シーズンに忍び寄る「昇進うつ」は“変化”を減らして防ぐ

抱え込んだらアウト/(C)日刊ゲンダイ

 秋の異動シーズンで昇進したサラリーマンもいるだろう。喜ばしいことだが、「昇進うつ」に気をつけたい。

 中堅商社に勤めるHさん(43)は、昨年10月に課長に昇進した。それまでは、目標の売り上げをクリアするためにがむしゃらに働き、常にトップクラスの成績を残してきた。そうした実績を認められて引き上げられたのだが、中間管理職はまったく勝手が違った。

 個人ではなくチーム全体の数字を求められ、部下の教育もしなければならない。しかし、指示を出してもうまく回らず、Hさんのやり方に反発する部下もいた。仕事はすべて自分でチェックしなければ心配で、毎日、終電まで会社に残って仕事をこなした。目をかけてくれていた部長からは〈期待しているぞ〉と声をかけられるが、そのたびに大きなプレッシャーを感じるようになった。

 1カ月後、そんなHさんの体調に異変が表れ始めた。首と肩が異常に凝り、胃が重くてほとんど食欲がなくなった。夜は疲れているのに眠れない。寝ついてもすぐに目が覚めてしまい、次から次へと不安感が湧いてくる。出勤のために最寄り駅へ近づくと全身から汗が噴き出し、強烈な吐き気に襲われるようになった。

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