異動シーズンに忍び寄る「昇進うつ」は“変化”を減らして防ぐ

抱え込んだらアウト/(C)日刊ゲンダイ

 異変を察知した妻の勧めでメンタルヘルスクリニックを受診したところ「昇進うつ」だと診断され、Hさんは1カ月以上も休職することに…。

■緩やかな変化と6時間以上の睡眠

 産業医として企業22社のサラリーマンのストレスケアを担当している奥田弘美氏(精神科医)は言う。

「昇進や異動をきっかけに、うつ病になってしまうサラリーマンは珍しくありません。とりわけ、プレーヤーとして優秀でやりがいを感じていた人がマネジメントを任されるようになり、うまくいかないことに思い悩んで発症するケースが多い。人間は<変化>に大きなストレスを受けます。昇進によって仕事の内容だけでなく、人間関係や勤務先といった環境がガラリと変わるケースもある。そうした変化がたくさん重なった人ほど、うつ病になるリスクもアップします」

 昇進うつの予防には、なるべく<変化>を増やさないことが基本的な対策になる。昇進に合わせて引っ越しをしたり、張り切ってビジネスセミナーに通ったりするのは危ない。これまでほとんどやったことがないのに、新しい上司としていいところを見せようと、夜な夜な部下を引き連れて飲みに出かけるのも避けたほうがいい。

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