市販薬も効かないしつこい“かゆみ”には「重大病」が潜む

角質細胞もバラバラに/(C)日刊ゲンダイ

■特徴は「皮膚の中から湧いてくるような感覚」

 胃、肺、肝臓、腎臓、膵臓などの内臓がんも、かゆみの原因になる。はっきりしたメカニズムは分かっていないが、症状の報告は多い。

「がん細胞が、かゆみを起こすなんらかの惹起物質を産生すると考えられています。がんを摘出したら、かゆみが治まったという報告もあります。難治性のかゆみと診断されたら、内臓悪性腫瘍のチェックも必要です」

 こうした重大病から生じるかゆみの特徴として、「皮膚の中から湧いてくるような感覚がある」という。

「本来、肌表面の角質には、角質細胞が細胞間脂質(セラミド)や天然保湿因子によってレンガの塀のようにぴったりと重なり合い、体内の水分を閉じ込めて、細菌、ウイルス、ダニ、花粉といった異物の侵入を防ぐバリアー機能を果たしています。ところが、重大病によって重度の乾燥肌になると、角質細胞がバラバラになり、干ばつ時の田んぼのようにひび割れて水分が蒸発し、大量の異物が侵入してきます。これが神経を刺激して湧き出るようなかゆみを引き起こします」

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