健康医療データの読み方

頭痛が激減

(C)日刊ゲンダイ
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 今年の夏、2013年度の国民生活基礎調査(厚生労働省)の結果が公表されました。今日はそのなかから、頭痛に関するデータを見てみましょう。

 データによれば、全国で487万6000人が、日常的な頭痛を訴えています。そのうち男性は132万8000人、女性は354万8000人。女性のほうが3倍近くも頭痛になりやすいことが分かります。頭痛薬のテレビCMが、女性をターゲットにしているのもうなずけます。

 ただ頭痛持ちの人数は、年々減少傾向にあります。前回(2010年)に実施された調査では、516万8000人(男性147万9000人、女性368万9000人)でした。さらにその前の2007年の調査では、559万8000人(男性160万7000人、女性399万1000人)。

 つまり07年から13年までの6年間で、頭痛持ちが70万人以上も激減したのです。

 頭痛と一口に言っても、肩凝り・首凝りや、眼精疲労、ストレスなど、さまざまな原因があります。

 片頭痛などのように、原因があまりはっきりしないものもあります。

 しかしここ数年で、頭痛の治療が大きく改善されました。片頭痛や群発頭痛に効果のある薬剤が開発されたため、正しく治療すれば、それらを抑えられるようになりました。またイブプロフェンやロキソニンなどの頭痛薬が、市販薬として簡単に手に入るようになったことも、頭痛の減少に貢献していると思われます。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

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