「真珠腫の取り残しが少しでもあれば再発します。確実に真珠腫を取り除くために①~③の治療法が生まれました。それぞれ一長一短があり、医師によって支持する治療法が違います」
全国でトップクラスの真珠腫性中耳炎の手術数を誇る小島教授は、②のクローズ法を、顕微鏡と内視鏡を用いて行っている。
「残せる組織は残した方がいい。外耳道を自然な形で残せ、しかも顕微鏡と内視鏡を用いることで取り残しのリスクをほとんどゼロにできる。併せて、細胞シートを用いて鼻から粘膜を移植し、損傷した粘膜を健康な粘膜に変える臨床研究も行っています。これによって、再発の可能性をより低くできると考えています」
①のオープン法は、外耳道を取るので真珠腫の取り残しが少ないが、耳あかがたまりやすくなり、定期的に病院で掃除をしてもらわなくてはならない。水泳でめまいが生じやすくなったり、聴力の戻りがあまりよくないという指摘もある。
③は、外耳道を再建するが、人それぞれの自然な外耳道の再建は技術的に困難だというデメリットがある。
「再発回避のためにも、最初の手術が肝心。よく吟味し、手術件数の多い医療機関で治療を受けることを勧めます」