治らない「過敏性腸症候群」はお腹を揺らすと劇的改善

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 過敏性腸症候群(IBS)は、検査をしても腫瘍や炎症などの器質的疾患がないのに、下痢、便秘、腹痛、下腹部が張るといった症状が見られる。「IBSの意外な原因が分かってきた」と話すのは、国立病院機構久里浜医療センターの水上健医師(内視鏡検診センター部長)だ。

 水上医師の元には、重症のIBS患者が全国から訪れる。「何をしても良くならなかった」という訴えがほとんどのため、従来とは違う治療法を模索するうち、いくつかの「事実」にたどり着いた。

【IBSの下痢型】

 これは男性に多く、ストレスが原因の下痢に非常に効果的な薬「イリボー」が承認されている(男性のみ)。しかし、イリボーで良くならない患者もいる。原因のひとつとして考えられているのが「胆汁に起因するIBSの下痢型」だ。

「食事をすると、胆嚢から胆汁が十二指腸に分泌され、小腸で再吸収されて残りが大腸に流れます。胆汁には下剤と同じような作用があるため、小腸での再吸収が悪いと、下痢しやすくなる。虫垂炎で小腸を切除した人によくあったのですが、それ以外の人にも起こることが分かってきたのです」

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