健康医療データの読み方

増える腰痛・減る肩こり

/(C)日刊ゲンダイ
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 先週は、頭痛持ちがここ数年、大幅に減っている、という話をしました。

 今週は腰痛と肩こりを見てみましょう。これらは、日本人の健康上の悩みのナンバーワンとツーを占めています。読者の中にも大勢いると思います。

 まず腰痛から。国民生活基礎調査によれば、その人数は1301万人(2007年)、1307万人(10年)、1327万人(13年)と、調査のたびに、わずかながら増加しています。男女比はほぼ4対6で、女性のほうが腰痛になりやすい傾向を示しています。

 一方で、肩こりを訴える人は1224・8万人(07年)、1211・9万人(10年)、1179・7万人(13年)と、減少傾向がうかがえます。男女比は3対7で、圧倒的に女性に多い症状です。

 なぜ肩こりが減り、腰痛が増えているのでしょうか。

 実は肩こりは比較的、若い人でもなりやすいのです。実際、20代で約90万人、30代で約150万人が肩こりを訴えています。肩こりのピークは50代。還暦を過ぎると、人生の重荷が減るのか、肩こり人口も減っていきます。

 それに対して腰痛は、若い人には少ないのですが、年齢を重ねるにつれて増えていくのです。ピークは70代。5人に1人は腰痛持ちになります。

 つまり、少子高齢化で若年人口が減り、高齢人口が増え続けていることが、肩こりの減少と腰痛の増加に、直接影響しているといえるのです。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

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