8人に1人が悩む「尿失禁」にボトックス注射が効く

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

「ボトックスなら電極を埋め込む手術ほど患者の負担は大きくない。そもそもボトックスは、シワ取りなど美容の分野で広く行われています。神経内科の治療にも応用されていて、安全性は証明されている。手軽に受けられる過活動膀胱の治療法として、患者さんに勧められます」

■7~8割に効果

 尿意は膀胱の収縮で感じるが、ボトックスは膀胱の神経に作用して膀胱の収縮を抑制する働きがあるので、過剰に活動する膀胱の働きを通常程度に持っていくことができる。治療は局所麻酔をかけて、尿道口から膀胱鏡と特殊な注射針を挿し入れ、膀胱壁に30カ所程度、ボトックスを打つ。

「7~8割の人に効果があります。麻酔は打たなくても構いませんが、打った方が患者さんがよりリラックスして治療が受けられる。日帰りでできます」

 副作用としては、尿が出にくくなる「排尿困難」がある。高度になると、おしっこが出なくなる「尿閉」を起こす人もいる。特に男性に起こりやすい。

2 / 3 ページ

関連記事