背骨のゆがみを正す「タオル枕」で肩こりも腰痛も消えた

タオルと輪ゴムで生活一変/(C)日刊ゲンダイ
タオルと輪ゴムで生活一変/(C)日刊ゲンダイ

 腰痛、肩凝りに悩んでいる人は、バスタオルで作った「タオル枕」を使ってはどうか? それだけで簡単に症状が改善するかもしれない。「1日5分タオル枕健康法」(海竜社)などの著書がある「心神診療室」の髙木智司院長に話を聞いた。

「タオル枕」は簡単に作れる。バスタオルの短辺を手前に広げ、長辺を端から四つ折りにする。短辺を端から強く巻き、直径8~10センチほどの棒状に整え、両端と真ん中の3カ所を輪ゴムで縛る。

 これを2つ作り、首と腰に当ててあおむけに寝る。背骨が快適と感じる位置に調整したら、手のひらを上に向け、自然に腕を伸ばし、全身の力を抜いて息を吐く。5分間経ったら、ゆっくりと枕を外す。腰痛がひどくてあおむけ寝がつらい人は、1分でも2分でもできる範囲でいい。枕を外したら、5分ほどあおむけ寝で気持ちを落ち着ける。

 これだけの方法で、早い人では1カ月ほどで、腰痛、肩凝りなどの不調が軽減するという。

「タオル枕を首と腰に当てることで、この2つが同時に伸び、背骨全体のカーブを自然な形に整えます。不調は、脊椎が歪んで神経を圧迫させていることから起こっていると考えられます。歪みを改善することにより、不調が軽減していくのです」

■イス生活が脊椎をゆがめていく

 もともと髙木院長は、あおむけ寝ができないほどのひどい脊椎の歪みに長らく悩まされてきた。また、体の不調を訴えて来る患者を診ると、多くが脊椎の歪みを抱えていた。

 脊椎の変化による神経症状の研究をしていたことから、歪みを改善する方法として、「ぶらさがり健康法」に目を付けた。
 しかし、腕力の弱い高齢者や女性には合わないことから、別の方法を模索。たどり着いたのが、枕で腰や首を伸ばすこと。枕で脊椎がストレッチされた状態で横になれば、脊椎の変形が修復されるのではと考えたのだ。

 市販の枕ではちょうどいいと思える硬さや大きさのものがなく、バスタオルと輪ゴムで作り、首と腰に毎日当てると、髙木院長ができなかったあおむけ寝ができるように。首を前に突き出し、背中が丸まった悪い姿勢や、右足を振り回すような歩き方もいつの間にか改善。患者に勧めると、さまざまな不調が消えたという報告が続々と寄せられたという。

「椅子やテーブルの西洋式の生活が普通になり、畳や床に座っていた昔よりも生活が楽になりました。背筋をピシッと自分で伸ばさなくてもいいので、体がダラーッと伸び切った姿勢になり、筋力が低下。背中が丸まり、猫背になって、歩き方や利き手などの影響も加わって、アンバランスに体に負荷がかかるようになり、脊椎が徐々に歪んでいく。こういう人が多い」

 さらに加齢で椎間板が劣化すると、脊椎の歪みに拍車が掛かる。結果、不調が生じるようになると、髙木院長は指摘する。

「タオル枕なら、“強制的に”脊椎が歪んで神経を圧迫している部分を伸ばすことができます。首と腰に枕を当てるのは、椎間板が特に劣化しやすく、脊椎の歪みに関係しているからです」

 記者(40)も1カ月、毎朝実践。最初から気持ちよく、そのまま寝てしまいそうになった。快適だから毎日難なく続けられ、気づくと肩凝りが消えていた。

 悩みを抱える人はぜひお試しを。

関連記事