患者数は20年で10倍 「摂食障害」は死につながる重大病

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 摂食障害の知識をきちんと身につけることが先決だろうが、どんな子供に多いのか?

「比較的、成績優秀で周囲への思いやりにあふれ、対人関係に敏感ないい子。両親が喧嘩するのを見たことがないという仲良し親子(特に3世代同居)によく見られる一方、夫婦不仲の子供にも多い。極端な人間関係は摂食障害の発症に影響します」

 次に、どういう様子が見られたら、摂食障害が疑われるのか?

「冒頭の“だれにも言えない”“自分が嫌になる”は、摂食障害の典型的な特徴。拒食症は劇的にやせるので分かりやすいが、過食症は『吐いている』などと患者が言わないと分かりにくい」

 過食症の“外から見える症状”としては、「唾液腺の腫脹」「吐きだこ」「歯科衛生の不良(歯が溶けている。虫歯や歯周病が悪化)」。歯科衛生が不良な原因としては「食生活が不規則」「糖分の過剰摂取」「脱水で口の中が乾燥」などが挙げられる。治療は必要に応じて薬を使うが、カウンセリングは重要。患者のほとんどが若く、家族関係が要因としてあるだけに、家族の治療への協力が不可欠だ。

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