効果が出てくるのは3カ月から半年くらいたってからだが、「効果があった」と本人が自覚できるまで、少なくとも1年はかかる。
5αリダクターゼⅡ型の影響を受けない後頭部の毛髪を毛根ごと採取し、薄毛部分に移植する「自毛植毛術」は、推奨度B(行うよう勧められる)だ。
「医療機関によってやり方や値段が違います」
人工毛の植毛手術もあったが、推奨度D(行わないよう勧められる)。医薬部外品や化粧品の育毛剤はC1(行うことを考慮してもよいが、十分な推奨がない)だ。
そのため坪井教授は、「現時点では、推奨度Aの薬物治療がベスト」と言う。
新治療の研究も行われている。来年にも登場するとみられているのが、第2世代のフィナステリドといわれる「デュタステリド」という薬だ。
さらに、LEDや低出力のレーザーを頭皮に当てる治療法や、細胞を培養して薄毛部分に注入する再生医療などの研究も行われているが、その恩恵を受けられるのは少し先になるかもしれない。とはいえ、薄毛を悩まずに済む未来は、夢ではない。