切手大が1000倍に…ヤケド治療「自家培養表皮移植」のスゴさ

ストーブにも注意(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「さらに、完全な皮膚ができるわけではありません。『元通りになる』と誤解している患者さんがいますが毛や汗腺などはできません。移植したところからは汗をかかなくなり、その分、残った本来の皮膚から汗が多く出るようになります」

 自家培養表皮移植で保険適用になるのは、前述のとおり、重症熱傷に対してだが、聖マリアンナ医科大学では、重症熱傷以外のケースにも自家培養表皮移植を行っている。

「交通事故など外傷でできた皮膚の欠損や瘢痕(皮膚が赤く盛り上がる、いわゆる傷痕)、白い斑点ができる白斑、入れ墨などです。特に白斑は、かなりきれいになります。重症熱傷で自分の皮膚の移植を受けたけど、見た目などの問題から後に自家培養表皮移植を希望する人もいます。いずれも自費診療になり、費用は100万円を超えます」

 黒褐色の大きいあざができる巨大色素性母斑、ちょっとした刺激で皮膚や粘膜に水膨れやただれができる表皮水疱症についても自家培養表皮移植が応用される。これらは、保険適用拡大について治験がほぼ終了したところだという。

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