「しかも、“もう少し遅かったら透析になっていたかもしれません、それほど重症です”と言われ、緊急入院となったのです。確かに人間ドックでは、腎機能を調べるクレアチニン値が高いことを指摘され、腎臓が弱っていると警告されていました。しかし、これほど急激に悪化するとは思いませんでした」(Aさん)
幸い、入院治療だけで無事腎臓の機能が回復したAさんだが、その原因となったのは持病の高血圧のための降圧剤と風邪のための抗生物質、それに腰痛のための消炎鎮痛剤だった。
■増える「薬剤性腎障害」
腎臓病専門医でもある、松尾内科クリニックの松尾孝俊院長が言う。
「最近はAさんのように薬の副作用である薬剤性腎障害を患う人が増えています。とくに問題なのは消炎鎮痛剤、抗生物質、降圧剤で、腎臓の機能が低下している人はとくに注意すべき薬なのです」