風邪と腰痛は要注意 腎臓を痛めつける怖い薬の飲み合わせ

異変を感じたら病院へ/(C)日刊ゲンダイ

 なぜこうした薬が腎臓の機能を低下させるのか?

「消炎鎮痛剤は痛みの成分であるプロスタグランディンとよばれる物質の生成を邪魔します。しかしその一方で、この物質は、腎臓の血流を促し、働きを維持する役割もあるのです。つまり、プロスタグランディンを抑制することは腎臓の血流を低下させ、腎不全に陥らせることになりかねないのです」(松尾院長)

 また、抗生物質は腎臓、とくに尿細管を狭くするなどして尿の排出が不十分になり、腎臓の機能を低下させることがあるという。

「さらに腎臓の働きが悪い人が高血圧の治療をする必要がある場合、急激に血圧を下げ過ぎると、腎臓の血流が滞り、腎臓の働きを悪くします」(松尾院長)

 CT検査などに使われる造影剤も注意が必要だ。すべて腎臓で排出させるため、腎臓に負担がかかり、機能を低下させるからだ。

「今回は、腎機能が回復したからよかったものの、腎機能が改善せずに透析をしなければならないケースもあるので注意が必要です」(松尾院長)

 健康を犠牲にしてまでやらなくてはならない仕事はない。忙しいときほど体に異変を感じたら病院で診てもらうことだ。

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