長引く腰痛の原因…徐々に固まる「強直性脊椎炎」だった

放置せずに病院へ/(C)日刊ゲンダイ

 当然ながら、生活の質も著しく下がる。うがいができない、靴下をはけない、下に落ちたものを拾えない、上方にある男女別のトイレの標識が見えない、頭より高いものを取れない、車の運転ができない――といった、“健康な人が意識せずにできていること”が、できなくなるのだ。

「一般就労者と強直性脊椎炎の患者の就労参加状況を比較すると、雇用率は1.1~1.3倍低く、病欠日数は一般人9~12日に対し、強直性脊椎炎の人は6~22日、生産性は8%低下し、2週間につき1.9時間長く仕事をしないと仕事に追いつけない」

 治療は、第1選択として非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられる。ステロイドの局所注射、人工関節の手術療法が検討される場合もある。2010年には生物学的製剤TNF阻害薬も適応されるようになった。

 いずれも根治療法ではないが、早期治療で症状の進行を抑えられることがある。TNF阻害薬に至っては、ある条件を満たす患者には、非常に高い有効性が期待できることが研究で明らかになっている。

「強直性脊椎炎を疑ったら、まず詳しい医師を探す。リウマチ医や整形外科医が比較的詳しく、脊椎関節炎学会に所属する医師が特に詳しいです」

 あなたの腰痛はもしかして……。

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