食事の歪みはこう正す 栄養素豊富な「雑穀料理」で体調改善

「〈このままではまもなく人工透析になる〉と医師に宣告されるまで、食の重要性を全く意識していませんでした」と話すのは、「人工透析なしで10年! でも元気な私の食生活」(講談社)の著書があるバイオリニストで料理研究家のリュウ・ウェイ(劉薇)さんだ。

 10年前に腎不全と診断されたリュウさんは、人工透析を避けるため、食生活の改善に取り組んだ。試行錯誤の末、たどり着いたのが、雑穀を中心にした食生活。それによって、医師も驚くほど腎機能が安定した。

「雑穀に対して『手間がかかる』と思っていませんか。一度やってみれば、想像以上に調理が簡単だと思うはず。雑穀には体に必要な栄養素が豊富に含まれていますし、何よりおいしい。私が定期的に開いている雑穀の料理教室は、がんや糖尿病など病気を患った参加者も多いのですが、みなさん楽しみながら、結果的に体調もよくなっている。日刊ゲンダイの読者の方にも、ぜひ雑穀を日々の生活に取り入れてもらいたいですね」

 雑穀はヒエ、キビ、アワ、ソバ、アマランサス、キヌアなどいろいろな種類があり、複数をブレンドしたものがスーパーなどで売られている。

「雑穀は長時間水に漬けたり、事前にゆでこぼす必要はありません。軽く洗って白米に混ぜればOK。水加減や浸水時間も白米を炊くときと同じでいい。私は豆類も加えていますが、戻さずそのまま混ぜています。雑穀と白米の割合は半々にすると食べやすい」

 雑穀ご飯は熱々もいいが、冷えてもモチモチして美味だ。ニンニクの黒酢漬け(ニンニクを黒酢と砂糖に漬けたもの。3カ月目から食べられる)を刻んで混ぜ込み、おにぎりにしておくと、栄養満点の上に、いつでも気軽に食べられる。

 雑穀ご飯のチャーハンもいい。リュウさん考案のレシピを参考にぜひ試してみたい。

「雑穀はさまざまな料理に活用できます。プリプリと歯ごたえがいいタカキビは、ゆでてハンバーグやギョーザのタネに用いたり、野菜と混ぜて総菜にしたりできます。乾燥させたトウモロコシを中びきにしたコーンミールはお好み焼きの粉に混ぜ込むといいでしょう」

 好き放題の食生活で、マイナス方向に“歪んで”しまった体を雑穀で正常に戻そうではないか。

▼フェンネルチャーハン
(1)油揚げ、キャベツ、玉ネギは2センチ角。ニンジン、コンニャクは薄切り。ニンニクはみじん切り。ハーブの一種、フェンネルは2センチの長さに切る。
(2)フライパンでオリーブオイルを熱してニンニクを炒め、ニンジン、玉ネギ、油揚げ、コンニャク、フェンネル、キャベツの順に炒め、塩コショウをし、グリーンピースを加える。
(3)冷えた雑穀ご飯を加え、手早く炒め、塩コショウで味を調える。あればフェンネルの根を飾る。

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