保険適用で負担段違い ツラい股関節痛にはMISがいい

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 従来法では、股関節付近の皮膚を15~20センチ切り開き、変形した骨盤側の臼蓋を削り、人工関節を埋め込み、切開部分を縫い合わせる。
 太ももには15~20センチの傷痕が残る。手術時間は2時間以上と長い。出血も多く、感染症や血栓症といった合併症のリスクがある。筋肉や腱を切り開くので、入院期間は1~3カ月。仕事や家庭のことを考えると、痛みがひどくても手術を躊躇する人がいるのは想像に難くない。

 それを何とかできないかという考えから開発されたのが、冒頭の「MIS」だ。

■高額療養費制度で10万円ほどに

「骨盤側の臼蓋を削って人工関節を埋め込む」などという、人工股関節置換術の“基本”は従来法と同じだが、特殊な器具を用いて、切開部分が小さく、筋肉や腱を傷つけない。

「傷痕は6~8センチで、手術時間は1時間ほど。傷が小さいので出血量は少なく、合併症も起こりにくい。従来法は合併症のリスクが6~8%ですが、当院のMISは2%以下です。入院期間は3~5日で、手術当日から立ち上がれ、翌日には歩行しながらリハビリ開始になります。お勧めはしていませんが、退院の翌日、電車に乗って出勤した人もいました」

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