健康医療データの読み方

8人に1人が医療系を目指す

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 正月気分も抜け、いよいよ2015年も本格始動といったところでしょうか。とりわけ受験生を抱えたご家庭は、これからが本番です。今年も例年通り、就職に有利だといわれる医療系の大学が人気です。実際に、どのくらいの人数が、医療を目指しているのでしょうか。

 文部科学省の学校基本調査をもとに、2002年と11年の保健医療系の進学者数を見てみましょう。

●2002年
大学3万5000人
短大3万8000人
専門学校8万1000人
合計15万4000人

●2011年
大学6万人
短大1万1000人
専門学校7万7000人
合計14万8000人

 短大・専門学校まで含めると、医療を目指す学生数は、むしろ減少傾向にあります。ただ、18歳人口そのものが減っているため、18歳人口に占める割合としては、ほとんど変わっていません。短大が激減し、4年制大学への転換が進んだ結果、医療系を目指す若者が急増したように見えるのです。

 11年の18歳人口は121万人。単純に言って、若者の8人に1人が医療系の大学・短大・専門学校に進学したことになります。02年から11年の9年間の合計は135万人にも達しています。

 その中で、無事に卒業できた者、資格を取得できた者は何人いたのでしょうか。そして、医療系は本当に就職に有利だったのでしょうか。次回、詳しく見ていきます。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

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