従来法では悪化一途 排尿困難「尿道狭窄症」の画期的治療法

QOLが劇的に改善/(C)日刊ゲンダイ

 ひとつは、狭窄部分を切除して糸で縫いなおす方法(尿道狭窄部切除・尿道端々吻合術)。

 もうひとつは、体のどこかから尿道の代用組織を採取して尿道を形成する方法(代用組織利用尿道形成術)。堀口医師の場合、代用組織は頬の粘膜を使うことが多い。頬の粘膜は尿道の粘膜と性質が似ており、尿道との相性が良い。頬の内側の粘膜を採取し、狭窄部分に縫い合わせて尿道の内腔を広げる。

 最大のポイントは、尿道形成術が「完治」可能な治療法であることだ。

「“手術後の画像検査で再狭窄が起きていない”“ブジーなどの治療を受けなくても排尿困難が起こらない”“手術後も排尿の勢いが落ちない”。この3つを確認できたら『完治』とみなします。尿道形成術を受けた人の8~9割が完治します」

 2~3週間の入院が必要なので大掛かりな治療に思えるが、月1回、痛いブジー治療を受けに一生病院に通うことを考えると、結果的に、負担が少ないといえるだろう。

 尿道形成術のデメリットとしては、粘膜を採取した頬の内側にしこりやしびれが出る可能性があること、術後半年くらい傷口の痛みや尿道の違和感が続く場合がある。それでも、ほとんどの患者の生活の質(QOL)が劇的に改善し、尿道形成術を受けてよかったと話すという。

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