米国では毎日44人が死亡…死を招く「痛み止め乱用」

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 昨年末、米国疾病対策センター(CDC)が「2014年の重要な健康対策トップ10」を発表した。気になるのは「死亡の最大要因」として心血管疾患、喫煙と並び医師の処方が必要な鎮痛(痛み止め)薬の過剰摂取が取り上げられたこと。日本は大丈夫なのか。

「米国では医師の処方が必要な鎮痛剤の過剰摂取による死亡が、2010年までの10年間に5倍増の1万5300人に達して、大問題になっています。直近のデータでは、毎日44人が亡くなっている計算です。これは麻薬で亡くなる人数よりも多い。ハリウッドの有名俳優の子供が亡くなった際も、鎮痛剤の過剰摂取が原因ではないか、と噂されたことがありました」(米国在住の商社マン)

 そのダメージは多方面にわたり、労働力の低下、医療費、刑事裁判など、その損失額は年間534億ドルに上るともいわれている。

 医療費が高い米国では、ちょっとした体調不良や痛みでは病院に行かず、市販の鎮痛剤で対処するという。なのに、急に処方による鎮痛剤の過剰摂取トラブルが増えているのはなぜか。

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