健康医療データの読み方

ストレートで卒業できる割合が低い歯学と薬学部

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
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 受験生に人気のある医療系大学ですが、無事に入学しても、ストレート(最低年数)で卒業できるとは限りません。

 その割合を、文部科学省の学校基本調査を基に計算してみました。

 まず6年制の医歯薬。2008年度入学者数と14年度のストレートの卒業者数とその割合は、次のようになっていました。

 08年度入学者数は医学部7558人、歯学部2530人、薬学部1万1049人。これに対して14年度ストレート卒業者数は医学部6535人(86.5%)、歯学部1807人(71.4%)、薬学部8027人(72.6%=※薬学部は、6年制大学の数字のみを使用)。

 ストレートで卒業できなかった学生は、留年か中退ということです。

 看護とその他は4年制。そこで10年度入学者と14年度卒業者を比べてみると、次のようになりました。

 看護系は10年度入学者数1万5219人で14年度卒業者数は1万3435人(88.3%)。その他は10年度入学者数が1万9928人で14年度卒業者数は1万5789人(79.2%)。

 医学部と看護系は、ストレートで卒業できる割合が高いですが、歯学部と薬学部は、かなり低い数字となっています。学業についていけない学生が大勢いるのかもしれません。歯学部は人気低下、薬学部は定員を増やし過ぎ。いずれもかなり入りやすくなっており、入学者の学力低下が深刻な問題になっているのです。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

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