早期発見は3人に1人 斉藤仁氏の命奪った胆管がんの怖さ

川島なお美は人間ドックで発見/(C)日刊ゲンダイ

 突然の病状悪化に、金メダリストも力尽きた。84年ロス五輪から男子95キロ超級を2連覇した斉藤仁氏(享年54)の命を奪ったのは、肝内胆管がんだった。懸命な治療も実らず、20日午前2時56分息を引き取った。

 昨年11月の講道館杯全日本体重別選手権では、「やることが山積みだから、やせちゃったよ」と笑っていただけに、突然の訃報に耳を疑ったファンは少なくないだろう。しかし、このがんは、手術できるかどうかが大きな分かれ目。手術できないと、厳しい運命をたどることになる。

 杏雲堂病院消肝内科科長・小尾俊太郎氏が言う。
「胆管は、肝臓から膵臓を経由して十二指腸をつなぐ管で、消化液や消化酵素を運んでいます。斉藤さんのケースでは、肝臓の内部にある胆管にがんができたので、『肝内胆管がん』。管は直径6~8ミリですが、がんが小さいうちは消化液などの流れが阻害されず、自覚症状がほとんどありません。その場所は肝臓や十二指腸などの陰になり、エコー検査で捉えにくいため、手術できる早期のうちに見つかる人は全体の2~3割。手術できない進行がんだと、余命は半年から1年です」

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