早期発見は3人に1人 斉藤仁氏の命奪った胆管がんの怖さ

川島なお美は人間ドックで発見/(C)日刊ゲンダイ

■20代で亡くなるケースも

 昨年1月、女優・川島なお美(54)が同じがんで手術を受けていた。人間ドックのエコー検査で見つかったようだが、上述した理由で、「エコー検査は万全ではない。肥満で脂肪が厚いと、超音波の透過性が悪くなり、エコー検査の精度が落ちる」(西崎クリニック・西崎統氏)という。

 発症は60代が多いが、小尾氏の知人の医師は20代で発症し亡くなった。2人が発症した50代は決してまれではない。厄介ながんが発症して、「助かる3割」に入る手立てはないか。

「患者さんの中には、<ダイエットをしていないのに、体重が落ちた><正常だった肝機能の数値が突然上昇した>と受診されることがあります。体重減は『3カ月で5キロ減』と急激で、肝機能の項目は『GOT』『GPT』『γ―GTP』など。これらの異常があって、(1)黄疸の症状が全身に回っておらず(2)リンパ節転移がなければ、手術できる可能性が高い」(前出の小尾氏)

 西崎氏の患者は、突然の嘔吐と上腹部の不快感で受診したが、エコー検査では異常なし。それでも不快感が続き、3カ月後のMRI検査でがんが見つかり、手術できたケースもあった。2人の運命の違いを知ると、粘り強く検査を受けるのも大切かもしれない。

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