健康医療データの読み方

ストレートで卒業、国家試験合格できる確率は?

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
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 学生に人気の医療系。卒業すれば就職に困らないといわれていますが、その前に、国家試験(国試)の壁が立ちはだかっています。

 今回は医学部と歯学部の国試合格率を見てみましょう。その前に2013年度の卒業者は、次のようになっています。

 医学部の卒業者数7562人のうち、ストレートの卒業者数は6535人(ストレート卒業率86.4%)。歯学部は2357人の卒業者のうち、1807人がストレート卒業者(同76.7%)です。

 一方、国試受験者と合格者、合格率は次のようになっています。

 医学部は8632人で7820人が合格(うち新卒合格者は7275人で、新卒合格率は93.9%)。

 歯学部は3200人が受験して合格したのは2025人(新卒合格者は1642人で新卒合格率73.3%)。

 国試は浪人が大勢いるため、受験者数は卒業者数を大きく上回っています。

 国試現役合格者のうち、ストレートの卒業生が何人いたかは分かりません。しかし「ストレート卒業率×国試現役合格率」として計算すると、最短で国試をパスする確率は、医学部が81.1%、歯学部が56.2%となります。

 つまり、医学部に入学した学生のうち最大で約8割が、ストレートで国試をパスできますが、歯学部の方は、5割強に過ぎないというわけです。医療系は、国試をパスして初めて人生のスタートライン。その意味で、歯学部はリスクが高いといえそうです。

長浜バイオ大学・永田宏教授(医療情報学)

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