胸焼けがサイン 増える「食道・胃接合部がん」に要注意

逆流性食道炎でリスク増大/(C)日刊ゲンダイ

 これまでは、名称や治療法がバラバラだった。食道を専門に診ている医師は、食道がんの一種とみなし、食道と胸部のリンパ節を切除する。一方、胃を専門に診ている医師は、胃がんの一種とみなし、胃を全摘する。近年、それらの統一化を目的とした動きが出てきている。

 まず、食道と胃の境界線から上下2センチのがんを「食道・胃接合部がん」と称することが定着しつつある。
 次に、治療法が食道あるいは胃に偏らないように、日本食道学会と日本胃癌学会が全国調査を実施した。273施設で過去10年間に手術を受けた3000例以上を分析したのだ。

「その結果、食道・胃接合部がんでは、直径4センチまでの大きくないものであれば、胃全摘は必要ないとわかりました。これまで胃全摘になっていたのは、がんが胃の一部であっても、“大きめに切除する”“リンパ節転移を防ぐためにリンパ節も切除する”ということが一般的だったからです。しかし、今回の調査で、そこまでしなくても、転移は起こりにくいと判明したのです。昨年8月には、ガイドラインに暫定的に明記されています」

2 / 3 ページ

関連記事