町医者が指南 薬の「付き合い方」と「減らし方」のコツ

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 開業して20年になり、多剤投与の弊害を日々痛感しているので、私はくどいくらい「何の薬をどれだけ飲んでいますか」と聞きます。しかし、うっかり忘れていることもある。「頭がフラフラする」という訴えで来院した患者さんの時、最初は脳梗塞を疑い焦りました。血圧は上が80を切っている。そこでもしや、と思い詳しく聞くと、なんと、降圧剤を8剤も飲んでいた! さらに、安定剤や睡眠薬なども加わり、合計20種類も。「どうして降圧剤だけで8つも?」と尋ねると、「黙っていたら先生が出してくれた」と言うだけです。

 これだけ飲めばふらついて当たり前です。体の状態に影響を与えそうな薬だけ数種類残し、いらない薬をやめてもらったら、すぐにふらつきは消えました。

 薬を何種類も飲んでいる方は、医師や薬剤師の知恵を借り、見直すべきです。その場合、それぞれの専門医に頼っても解決しない場合が多い。医師には縄張りがあるから、別の医師が出している薬を勝手に切ることはできません。

2 / 3 ページ

関連記事