血圧、アレルギー、睡眠が変化 暖かい家は健康寿命延ばす

厚手のカーテンは◎/(C)日刊ゲンダイ

 さらに、高断熱の住宅は外気の影響が少なく、湿度をコントロールしてカビの発生を抑えることができる。

「カビはアレルギーを悪化させる大きな要因です。断熱レベルの高い住宅で、目、鼻、皮膚などのアレルギー疾患が改善されるのは、カビによる影響が少ないためだと考えられます。ニュージーランドのオタゴ大が2年間にわたって古い家1400戸を対象に行った大規模調査では、断熱改修した住宅は湿度変化が少なく、断熱材入りの家の住人の方が、風邪や気管支疾患によって学校や会社を休むケースが少なかった。カビの臭いが減り、通院や入院も減ったという結果が出ています」(高橋副所長)

 断熱レベルの低い家から高断熱高気密の住宅へ引っ越すのは簡単ではないが、リフォームするだけでも効果はある。

「断熱レベルが低い家では、いくら暖房を稼働させても効果が少なく、体感温度は上がらない。床と天井に断熱材を入れたり、内窓を設置するリフォームなら、それほど費用はかかりません。それも難しい場合は、カーテンを厚手のものに交換したり、すき間テープなどで窓からのすき間風を防いだり、床に断熱シートを敷くだけでも効果があります」(高橋副所長)

 健康的に暮らしたいなら、寒さを我慢して生活するのはやめた方がいい。

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