うつ病長引かす「男性ホルモン」低下 数値下げない生活改善

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

 それら遊離テストステロン値が低い患者にテストステロンを投与すると、明らかにうつ病症状が改善するという。

 一方で、ほとんど改善しない患者もいる。久末医師らが調べたところ、うつ病の重症度や遊離テストステロンの値の低さとは関係していなかった。

「しかし、共通項がありました。テストステロンが効かない人は、抗うつ薬をはじめとするうつ病の薬をたくさん飲んでいたのです」

 LOH症候群とうつ病は、うつ状態、不安、イライラ、不眠、集中力・記憶力・性欲の減退など、似た症状がいくつもある。

 男性のうつ病には、LOH症候群の側面からの治療も有効なのではないか――。

 久末医師はそう考えており、さらに、「うつ病の薬をたくさん飲むことで、作用が強くなり過ぎ、テストステロンの投与で“引き戻せる”状態ではなくなったのではないか。うつ病の治療の早い段階でテストステロンを投与すれば、うつ病の治りがよくなるのではないか」とみている。

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