老けない太らないと大ブーム「ココナツオイル」効果的摂り方

ココナツオイルで作ったピーナッツ・ハニー・ポップコーン/(C)AP
ココナツオイルで作ったピーナッツ・ハニー・ポップコーン/(C)AP

「老けない、太らない、健康にいい」といわれるココナツオイルが大ブームになっている。本当なのか。

 ハリウッドのセレブが美容やアンチエイジングのためにココナツオイルを愛用している――。そんな触れ込みで注目され、さらにさまざまな病気を予防すると紹介されて人気に火がついた。なんだか眉に唾をつけたくなるが、ココナツオイルの実力は本物だという。「こんなにすごい!ココナッツオイル」(幻冬舎)の共同著者で、江田クリニック院長の江田証氏に詳しく聞いた。

「ココナツオイルには『中鎖脂肪酸』という天然成分が豊富に含まれています。これが、さまざまな健康効果をもたらす源で、抗菌作用、抗酸化作用、代謝アップなど、医学的なエビデンス(科学的根拠)もしっかりある。また、体内に取り込まれるとすぐにエネルギーに変わるので、医療現場では点滴薬として使われています。手術を受けた後や、肺炎などの重症感染症にかかった患者さんは、回復のためにたくさんのエネルギーが必要になります。そうした場合、中鎖脂肪酸の点滴(MCT点滴)を行います。それだけ優れた成分といえます」

 ココナツオイルに含まれる中鎖脂肪酸の主成分はラウリン酸だ。これがさまざまな感染因子から免疫系を保護する性質を持っている。母乳にも高濃度に含まれている抗菌物質で、免疫力をアップさせるという。

「ラウリン酸などの脂肪酸は、細菌の細胞膜に直接作用して菌を破壊してくれます。真菌類や、カンジダ菌、クラミジア菌、ピロリ菌、ヘルペスウイルスなどへの感染を防ぎ、慢性疲労症候群の治療にも有効です」

 水の代わりにココナツオイルを口に含み、15分程度うがいをするだけで、虫歯、歯周病、歯肉炎といった口内の病気を予防できるうえ、関節炎、片頭痛、アレルギー症状を改善する効果もあるという。

■食べても肌に塗っても効果

「抗酸化作用」も高い。人間は酸素を取り込んでエネルギーを作る際に活性酸素を作る。活性酸素は細胞をさびつかせ、生活習慣病や老化を促進するが、中鎖脂肪酸は、その活性酸素を除去したり抑制する酵素の働きを活発にするという研究が発表されている。

「もともとココナツオイルは酸化しにくく、活性酸素の生成も起きづらい。食べても肌に塗っても効果があります」

 ダイエットにも有効だ。一般的な植物油に含まれる「長鎖脂肪酸」に比べると10倍のスピードで分解・燃焼されて即座にエネルギーとして使われるため、脂肪として蓄積されにくい。

「さらに、蓄積されている脂肪の燃焼を助長するため、中性脂肪を減少させる作用もある。海外の研究では、ココナツオイルは通常の3倍のカロリーを燃やすうえ、代謝を早めることで脂肪の燃焼を効率的に行うことが証明されています」

 アルツハイマー型認知症の予防に効果的との報告もある。

 アルツハイマー病患者の脳細胞は、ブドウ糖をうまく利用できなくなり、「ガス欠」になって死滅していくが、ケトン体はエネルギー源として利用できる。中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体に変換されるため、アルツハイマー病の脳細胞の栄養源になり、脳細胞を救うのだ。

 さっそく、ココナツオイルを毎日食べたり飲んだりしてみたいが、いくつか注意点がある。

「オイルの種類は『エキストラバージンココナツオイル』をお勧めします。1日の摂取量は大さじ2杯を目安にしてください。大さじ1杯で6~10キロカロリーほどあるので、普段の食事からその分だけゴハンを減らすのが効果的です。ただし、強い解毒作用によって、発疹、吐き気、下痢などの症状が出るケースもあります。気になる場合は医師に相談してみてください」

 まずは少量から試してみたい。

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