めまい、耳鳴りを招く「顎関節症」 楽器の長時間練習に要注意

写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ

「吹奏楽部の強豪校で、熱い学園生活を過ごしてもらいたい」――。中学・高校の受験シーズンを終え、わが子の新生活に思いを馳せる人も多いのではないか。しかし、中高生の吹奏楽部員は練習のし過ぎには注意が必要だ。顎を壊し、将来めまいや耳鳴りなどに悩まされかねない。

 全国でも有数の吹奏楽激戦区といわれる兵庫県。名門中学の吹奏楽部に所属する女生徒が顎の痛みを訴え、兵庫医科大学の顎関節症外来を訪れたのは数年前のことだ。

「口を大きく開けようとすると痛い、というのです。担当はクラリネット。診ると典型的な顎関節症でした」(兵庫医科大学歯科口腔外科学講座の本田公亮教授)

 顎関節症とは顎の関節の異常により「顎が痛い」「顎が鳴る」「口が開きにくい」などを主な症状とする包括的疾患のこと。顎関節症により咀嚼筋の過度な緊張や顎関節の異常が起き、三叉神経が刺激され、めまいや耳鳴り、痛みなどが出る場合もある。

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