ポジティブ思考が苦手なら ストレス消す「朝1分間の習慣」

写真はイメージ (C)日刊ゲンダイ
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「ポジティブシンキングでストレスは解消できるなどといわれますが、できれば誰も苦労はしません。日々、仕事や人間関係などのストレスにさらされているサラリーマンは待ったなし。日常生活のちょっとした習慣を変えてストレスを克服するほうが現実的です」

 こう言うのは、「一流の人はやっている ストレスが消える朝1分の習慣」などの著書がある精神科医の西多昌規氏だ。

 西多氏が着目したのは、“体内時計”。

「人間の体内時計は、24時間より数十分長いことがわかっており、実はこのズレが脳と体のコンディションを下げ、ストレスを生みます。ズレたまま一日をスタートすると日中のパフォーマンスが上がらないだけでなく、いずれ肥満や高血圧、糖尿病といった健康問題も生じてくる。これを解消するのが、午前中に体内時計のズレを調整するちょっとした習慣なのです」

 自身が毎日実践する“1分の習慣”はこうだ。

■音より光で起きる

 眠っているときは副交感神経、日中は交感神経が優位になる。この切り替えをスムーズに促すのが朝の光だ。朝の光は交感神経に働きかけ、体内時計をリセットする効果が。また朝日は脳内物質・セロトニンを大量に分泌させるため、自然な目覚めを促す。真っ暗ななか、目覚まし時計の“爆音”で起こされるほうが、ストレス。窓のカーテンを少し開けて寝るのがベター。

■スヌーズ機能は1回限定   

 数分置きにアラームが鳴る携帯電話のスヌーズ機能を目覚ましに利用している人は多いが、実は脳にはストレス。脳には「寝続けていたい」という習性がある。ところが、何度もアラームを止めて二度寝を繰り返すと、脳は「寝たい」「起きなければ」と時差ボケ状態になり、目覚めはどんどん悪くなる。使うなら1回限りで。

■布団の中でダダこね運動

 朝起きてすぐの時間帯は、まだ寝ていたいという睡眠慣性が働く。これを打ち破るのが、自力で体を温めることだ。といっても、跳び起きて運動をする必要はない。布団の中で赤ちゃんのように体の向きを左右にゴロゴロ変えたり、手足や体幹を動かせばOK。これが、起きた直後のだるさや体の重さを軽減する。

■1杯の水を飲む

 眠っている間にかく汗の量はコップ1杯分で、軽い脱水症状に匹敵する。目にこそ見えないが、血液は水分を失い、全身の臓器も血流が悪くなっているのだ。水分補給の意味でも朝一番にコップ1杯の水を飲みたい。胃腸への刺激にもなる。冷たい水だと“体内の冷え”につながるため、特に冬場はぬるま湯がベスト。

■レモンで脳を活性化

 朝食時の飲み物は柑橘系飲料がおすすめ。中でもレモンの果汁は、鎮静作用のある脳の神経物質GABAの働きを抑え脳を活性化させるため、エンジンがかかりやすくなる。また、レモンには体内時計をつかさどる時計遺伝子に働きかけ、乱れを小さくする作用も。手軽にとれるレモン飲料をチェックしておこう。

「朝の習慣」でストレスとオサラバだ。

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