夫人から「若いピカピカ」(多田氏)の肝臓を提供されて、長年、苦しんできた、だるさから解放された。
ところが5年前、再び大病が襲う。胃がんが見つかり、東大病院で胃の3分の2を切除したのだ。
「手術は5時間ほどかかりました。術後、集中治療室から4日目で出ましたが、私は担当医に、フグのおじやを食べたいとわがままを言いまして、さらにその翌日には、すっぽん料理を食べてしまいました」
現在、朝、昼、晩に合わせて10種類の医薬品を服用しているが、多田さんはもうひとつの病気を抱えている。糖尿病である。
そのため、運動療法として万歩計を携帯し、毎朝、1万2000歩前後の散歩を欠かさない。
仕事を生きがいとして、土曜、日曜の出勤を続けている。たまに夫婦喧嘩をすると、夫人から、「誰のおかげで生きているの!」と叱られるという。
多田さんは、「こんな体でも元気で過ごす秘訣は、とにかく寝ることですね。深夜目覚めることがあっても、起きることなく我慢して寝ることです」と語っている。
患者に聞け