専門家が10キロ減量に成功した「心理学ダイエット」5カ条

ロングブレスは大ブームに
ロングブレスは大ブームに(C)日刊ゲンダイ

 ライザップかワンダーコアか。プロテインもあれば、ロングブレスもあったっけ。いま、ダイエットが花盛りだが、金もかかるし、長続きしない。悩みの種だ。

「心理学で痩せればいいんです。私はコレで10キロ痩せました」

 こう言うのは、埼玉学園大学で心理学を教える古澤照幸教授(56)。古澤教授は心理学を応用して、3年前に73キロあった体重を約10キロ落とした(身長170センチ)。最近は63キロ前後でほぼ変わらず、20代前半当時の体重を維持。血圧は下がり、ダイエットのキッカケとなった不整脈は嘘のように消えたという。

 古澤教授が毎日実践した「心理学ダイエット」の全容を紹介しよう。

【1】ダイエット脳をつくる

「一番重要な要素がコレ。“ダイエット頭”と言ってもいい。まず『なぜダイエットするのか?』と目的を明確にするのです。たとえば、血圧が高い人は『体重を落として血圧を下げるため』と常に頭に描く。血糖値が高い人なら『痩せて数値を下げるため』です。自分がダイエット中であることを意識するようになります。加えて毎朝、体重を量って手帳に記録することが大事です」

 機械を買うわけでも、特別なサプリを飲むわけでもない。簡単そうだ。

「記録すると、体重の増減と行動が結びつきやすくなってくる。『1日1万歩、1週間続けた。おっ、先週より体重が減ったぞ』って感じです。自分が速歩きで1万歩歩いたとき、消費カロリーに換算できるようになるともっと効果的。数字が頭の中に記録されやすくなって『これだけ動くと減るんだ』と実感できる。心理学で自己効力感といいますが、こうすれば体重が落ちるという自信もつく。ダイエット脳はできたも同然です」

【2】ストレスがない計画と実行

 いきなり20キロ減量するなど無理な計画は立てない。早晩、挫折するのは目に見えている。食事量は減らし過ぎないことだ。
 同時に食事回数を減らさないことも大事。1日1回食事を抜けば、摂取カロリーは3分の1減る。効果絶大だが……。

「回数を減らすと飢餓感が引き起こされてしまい、後が続きません。無理な計画も理屈は同じ。必ず3食取ってください」

【3】健康的な計画と実行

 古澤教授は減量目標を10キロに設定。摂取カロリーを13%減らすことからスタートした。

「1日に食べる量を13%減らすと明確な目標を決めました。13%は私の体重にして約9.5キロ分。ご飯の量を毎食3口分かそこら減らしましたね」

 一方でタンパク質、ビタミン、ミネラルを減らさないように注意した。

「最初のひと月で2キロ減、4カ月でスタートから4キロ落ちて1年間で6キロ減量。3カ月目辺りから徐々に血圧が下がり、不整脈がおさまりました」

【4】体を動かす

 体を動かすことには2つの意味がある。

「まず、歩数を寝る前に記録する。記録は『今日はこれだけカロリーを消費した』と励みになる。もうひとつ、気持ちを変える意味も大きい。『お腹がすいた』と思ったとき、5~10分歩く。運動には、不安を取り除いたり、嫌なことから注意をそらす効果がある。食べたい気持ちは消えます」

「1、2、3」と20くらいまで数を数える行動も、同じ効果が期待できるそうだ。

【5】誘因の影響の排除

 言葉は難しそうだが、要するに“見える場所におやつなどを置かない”こと。会社でも机の上や引き出しにお菓子があると、つい手を出してしまいがち。まずは、お菓子や果物は食器棚や冷蔵庫に入れて視界から消そう。

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