おでき、虫歯、水虫…長引く不快症状の犯人は血糖値だった

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「血糖コントロールがうまくできていないと、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすく、重症化しやすい。最悪、命を失います。身近なものでいえば、風邪が挙げられます。しょっちゅう風邪をひき、なかなか治らなければ、もしかしたら血糖コントロールの不良と関係しているかもしれません」(東邦大学医療センター大森病院 糖尿病・代謝・内分泌センターの弘世貴久教授)

 弘世教授が、世界5大医学雑誌のひとつ「ランセット」の感染症版に掲載した症例は、こういうものだ。

 50歳の男性は、39度の高熱で大森病院を受診。原因は、重症の腎盂腎炎(細菌感染から起こる腎盂の炎症)だった。

 腎盂腎炎では、炎症の原因のほとんどが大腸菌だ。しかし男性は、非常に珍しいことに黄色ブドウ球菌が原因になっていた。その理由は分からないまま、抗生物質を処方。腎盂腎炎は改善に向かった。この時、ヘモグロビンA1c(=糖尿病の指標。6.2%未満が正常)が14.7%という重症の糖尿病も判明し、その治療も開始された。

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