しつこい関節痛消えた 「血管なくす」新治療法に驚きの効果

五十肩も効く(C)日刊ゲンダイ

「これに気づいたのはある乳がん患者さんとの出会いがキッカケです。当時私はがん治療専門医で、がんを増殖させる新生血管をカテーテル治療で消滅・退縮させる仕事をしていました。たまたま、その患者さんが“実は肩が痛くて手が上がらないの”とおっしゃっていたので、肩の関節に栄養を送る血管を調べたところ、やはり新生血管が見つかったのです」

 その患者さんに十分説明した後、試しに新生血管の血流を遮断する薬を注入したところ、その場で痛みが消えたという。

「その後、痛みに悩む患者さんに同じ治療を行ったところ、驚くほどの効果が上がったのです。いまでは、太い神経線維の障害などを除き、長引く痛みの原因の9割は新生血管によるものと考えています」

 奥野医師によると、40歳以降、あちこち体の痛みに悩まされるのは、新しい血管を作らないようにする物質の分泌量が減り、新生血管ができやすくなるためだという。

「40歳を越えたら、関節を繰り返し刺激するような前かがみの姿勢は極力控えることです。また、カロリーが高い食事は新生血管を作りやすいので要注意です」

 ちなみに、この治療法はランニングひざ、テニス・ゴルフ肘など運動による痛みにも効くという。

3 / 3 ページ

関連記事