肌荒れも腰痛も解消 中高年の健康を守る「ゼラチン生活」

パウダーなら無理なく取り入れられる
パウダーなら無理なく取り入れられる(C)日刊ゲンダイ

 日中の初夏のような陽気が一転、夜には冬のように。寒暖の差は春の訪れを感じさせるが、それが体にこたえて、いろいろなトラブルを引き起こす。そのひとつが肌荒れ。今年は寒さのピークが過ぎた今もなお皮膚科にかかる人が少なくないという。年齢的に乾燥しやすい50代以上なら男も指先が割れやすい。季節の変わり目は関節も痛み、疲労感も強い。そんな人にはゼラチンがお薦めだ。

 今年61歳の科学ジャーナリスト渡辺雄二氏は今から10年ほど前、膝の痛みを感じるように。原因は、膝の軟骨がすり減る変形性膝関節症ではないかと考えた。

 だとすれば、軟骨の成分であるコラーゲンの原料になるゼラチンを積極的に取ることで、痛みは軽くなるはずと推測。コーヒーやみそ汁などにゼラチンパウダーを入れ、ゼラチン摂取を開始した。

 そんな“ゼラチン生活”をまとめたのが、著書「健康に長生きしたけりゃ ゼラチンを食べなさい」(青志社)。その効果は――。

「しばらくして体に表れた変化が、肌がスベスベになったことです。ある夜、寝ていて足をこすり合わせたら、いつもと違ってツルツルした感触に驚きました。それで、腕や脚を見てみると、明らかにスベスベになっていたのです。さらに“ゼラチン生活”を続けたところ読み通り、膝の痛みが軽くなり、そして解消しました」(渡辺氏)

 目に見えたゼラチン効果がうれしくて、知人の編集者や友人に“ゼラチン生活”を勧めたところ、肌荒れ解消を喜ぶ報告が続々と集まった。膝痛への効果も少なからず認められたという。“ゼラチン生活”は今も続けていて、肌は60代とは思えないほどスベスベ、膝の痛みもなく、初対面の人には、スベスベな肌に「そんなお年とは」と驚かれるそうだ。

■ビタミンCも一緒に

 そういえば、ゼラチンを多く含む牛すじ煮込みや豚足などを食べた翌日は、記者(40代)も肌がツルツルになったことが何度となくある。これらを毎日食べるのは大変だが、パウダーなら無理はない。市販のパウダーは大体1箱6包入りで200円ほど。1包5グラムの半分をコーヒーやみそ汁に入れればよく、併せてビタミンCを取るとより効果的だそうだ。

 皮膚も軟骨も、主成分はコラーゲンで、血管のしなやかさを保つにもコラーゲンが欠かせない。著書には、“ゼラチン生活”で血管が丈夫になるとある。動脈硬化はコラーゲン不足で、血管がモロくなった状態だから、そういう人にも“ゼラチン生活”がお勧めだという。ゼラチンは、中高年の体を守る“最後のとりで”のようだが……。

「すみれ皮膚科クリニック」の藤田伸弘氏が言う。
「ゼラチンは、肉や魚に含まれるもので、確かにコラーゲンの材料になります。皮膚や軟骨、血管などにコラーゲンが不可欠なのも事実ですから、積極的にゼラチンを摂取することで、カサカサした肌がスベスベするという効果はあり得るでしょう。しかし、だからといって、コラーゲンが不足することによる症状は体中に何カ所もあり、口から摂取したゼラチンが、そういうところに選択的に運ばれるかというと、はたしてどうか。科学的に証明するのは難しい。“ゼラチン生活”は、ほどほどが肝心です」

 中高年の場合、生活習慣病を気にするあまり、食生活が野菜に偏る人もいる。そういう人で、症状があれば、“ゼラチン生活”を取り入れるといいだろう。まれにアレルギーを起こすため、かゆみなどがあったらやめることだ。

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