食べているのに栄養不足…疲労の陰に「新・栄養失調」あり

食べているからと言って安心はできない…(C)日刊ゲンダイ

 40代のAさんは、疲れやすく、頻繁に風邪をひいていた。夜は熟睡できず、昼間は眠い。

「Aさんの普段の食生活は、朝はコンビニのパンとコーヒー、昼はラーメンやカレー、夜は立ち食いそば。ほぼ炭水化物(糖質)で占められていて、ビタミン、ミネラル、タンパク質の摂取がないに等しかった。栄養失調のサラリーマンの典型例です。糖質を過剰に摂取すると、その代謝のために大量のビタミンB群が消費されてしまいます。もともとビタミン類が不足しているのに、さらなる大量消費で、欠乏状態に陥っていたのです」

 ストレスが強ければ、体内でストレスに対抗するための“抗ストレスホルモン”が合成される。ビタミンB群はそのホルモンの合成を助ける働きがあるので、より一層消費され、欠乏状態に拍車をかける。

「現代の“新栄養失調”は、カロリーは取っているが、ビタミン類、中でも神経機能を正常に保ち疲労回復に役立つビタミンB群、ミネラル、免疫機能の調整に役立ち粘膜を強くするビタミンD、そして体をつくるタンパク質が決定的に足りません。加えて男性では亜鉛、女性では鉄分が少ない。さまざまな不調が出て当然です」

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