清澤眼科医院(東京・江東区)の清澤源弘院長は言う。
「網膜剥離には、頭部への強い外傷や眼球打撲などによる『原発性網膜剥離』と、ぶどう膜炎や糖尿病網膜症といった疾患が原因で起こる『非裂孔原性網膜剥離』があります。一般的に網膜剥離というと前者を指すことが多く、外傷以外にも老化や近視によって引き起こされるケースがある。とくに近視が強い人は注意が必要です」
近視が強い人は、眼球の奥行き(眼軸)が長く延びている。これに網膜が引っ張られて薄くなっているので、ちょっとした眼球の動きや振動などで網膜が裂けやすい。
また、アトピー性皮膚炎の患者に網膜剥離が多いという報告もある。
「網膜の縁が断裂して網膜剥離を起こすケースが多く見られます。原因はまだはっきりしていませんが、アトピーの患者さんは、かゆさから頻繁に目をこすったり、眼球を叩く傾向があるためという説や、炎症によって網膜の縁が弱っているから剥離が多いのではないかという意見もあります」(清澤院長)