患者に聞け

【機能性腹部膨満】排便に苦しみガスも出ない

その苦痛は大変なもの(C)日刊ゲンダイ

 瀬戸さんが言う。
「5年前、私は東京逓信病院(東京都千代田区)で、胃がんの手術を受けて胃を全摘しています。以来、半年に1回定期検診を受けていますが、幸いがんの再発や転移の兆候はありません。ただ年に2、3回排便に苦しみ、ガスも出ないという症状が続いています。この病態を、『機能性腹部膨満』と言うのだそうです」

■消化管系手術経験者に多い

 便秘や腹部膨満(腹が張った感じ)は、胃の運動低下や消化器機能の変調、ストレスなど心理的な要因で起こる。
 慢性の便秘や、過敏性腸症候群と似た症状だが、胃など消化器官系の手術経験者に多いという。

「腹鳴りがして、排便やガスが出ない。その苦痛は大変なものです。ひどいときは、浣腸ではとても無理で、尻から空気を入れながら、寝た状態で腹部を中心に体を左右に動かすという対症療法を受けるんです。それでようやくガスが出て排便できるようになります」

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