患者に聞け

【ピロリ菌】 除去が不十分だと再感染するケースも

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 渡辺さんは、父親や祖父を「胃がん」で亡くしていることもあり、数年前に自宅から自転車で10分ほどの内科専門クリニックで「ピロリ菌」を除去していた。それだけに驚いた。

「“尿素呼気試験”という検査方法で、確か料金は5000円でした。検査でピロリ菌の感染が確認され、1週間、2種類の抗生物質と胃酸の分泌を抑える薬の計3種類を飲み続けました。その後、再びクリニックで検査を受け、除菌されたと診断されたのですが……」

 ピロリ菌の除菌が1回で成功する確率は75%。うまくいかなければ再度1週間薬を飲むことになる。渡辺さんは1回で成功した幸運に感謝したという。一度除菌したら再び感染しないとも信じ込んでいた。

 それなのに感染が確認されたのだから、驚くのは当然だ。

 担当医には「除菌済み」の旨を伝えたが、「統計的にも再感染は極めてまれで、だいたい再感染率は2%ぐらいだと言われました。再発した場合、大きく2つの理由があるという説明もしてくれました」。

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