子供のメンタル不調 要注意サインは「朝起きられない」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「子供のメンタル不調は、大人と違って非常に分かりにくい。つらさを言葉で表現できず、なぜ学校に行けないのかを本人もわかっていないからです。患者さんを診ていると、登校拒否のお子さんには、双極性障害が関係しているケースが多い。親が気付かなければ適切な治療につながらないのですが、そこが最も難しい問題点です」

■広まりつつある「磁気刺激治療」

 川口院長が挙げる要注意サインは、「朝起きられない」だ。

「双極性障害のうつ症状は、午後になるとエンジンがかかるが、午前中は調子が悪い。朝、起きないのではなく、起きられないのです。それが2週間以上続くようなら、双極性障害を疑ったほうがいいかもしれません」

 大人の双極性障害は、現在、薬物治療が第1選択だ。しかし子供は、向精神薬などを使った場合の長期的な脳の安全性は確保されておらず、医者の裁量に任されている。川口院長は、子供のリスクを考え、別の治療法を取り入れている。それが米国発祥の最新治療法で、国内でも大学病院などを中心に広まりつつある「磁気刺激治療(TMS)」だ。

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