子供のメンタル不調 要注意サインは「朝起きられない」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「近年、前頭野の一部の機能が正常に働かなくなることと、うつ病や双極性障害との関係が明らかになってきました。TMSは、前頭野に磁気を当てて本来持っている脳の回復力を上げ、機能をもとに戻す治療法です。薬物のように脳に何らかの影響を与えることがないので、子供でも問題なく受けられる。パーキンソン病、認知症、脳梗塞後の麻痺の回復などにも使えないかという研究もされています」

 大人のデータになるが、同院の患者の86%が1年で改善し、58%が寛解。子供は大人より反応が早く、3分の1から3分の2のスピードで改善するという。健康保険適用ではないので、1回磁気を当てて6万円かかるのがネックか。子供の場合、ひとつの目安として10~20回当てることになる。

▼双極性障害とは

 双極性障害にはⅠ型とⅡ型があり、Ⅰ型は派手なそうの状態が長く続き、Ⅱ型は軽いそうが短い期間で治まる。Ⅰ型に対し、Ⅱ型のそうは周囲に分かりにくい。子供ならなおさらで、「統合失調症」などと誤診され、治療が行われているケースもあるという。

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