脳梗塞治療は年々進化も 「FAST」だけは忘れてはいけない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 つまり、脳梗塞治療の最前線は、「まず、可能ならtPAを静脈注射。無効か不可能なら、ステントで血栓をからめとり引き抜く治療」となる。

 脳梗塞の治療技術は、どんどん進歩している。しかし、脳梗塞の発症から元通りの生活を取り戻す可能性を少しでも高くするには、絶対に押さえておかなくてはならないポイントがある。

「おかしいと思ったら、一刻も早く専門病院へ行くことです。時間が経過すれば、それだけ治療の選択肢が減っていきます。『FAST』という言葉を常に念頭に置いてください」(前出の吉村主任教授)

「F」は「Face」、つまり顔に左右差はないか? 「A」は「Arm」、両腕を前に上げて維持可能か? 「S」は「Speech」、明瞭に話せるか? そして「T」は「Time」。これらのうち、ひとつでも当てはまればすぐに救急車を呼ぶ。「様子を見よう」という考えは捨てなければならない。

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