「血液検査の結果、B型肝炎など肝臓の異常は認められませんでした。それでは鼻から内視鏡を入れますので、ズボンのベルトを緩め、リラックスしてベッドにあおむけに寝てください」
両側の鼻の穴から麻酔を噴霧された後、体を横向きにされ内視鏡を入れられた。違和感は少しあったが痛みはまったくない。
内視鏡は鼻からゆっくりと喉を通過して、胃の中に入った。
「20分ほどの検査だったでしょうか。『病理検査のために胃の細胞組織も採取しますから』と説明されました。思ったよりも早く終わって、『検査結果は2時間後にわかりますので、待機していてください』と言われました」
病院の近所の喫茶店で待つこと2時間。どんな結果が出るか……不安のあまり、コーヒーの味はしなかった。
大橋さん夫婦は、再び検査室に呼ばれた。
患者に聞け