「がんではありませんね。軽い『胃潰瘍』です。胃潰瘍の主な原因とされるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染も認められませんでした。原因は、加齢のほかに暴飲暴食かストレスでしょう」
医師から診断を知らされ、がんを疑っていた大橋さんは心底ホッとしたという。
もっとも、胃潰瘍だって甘く見てはいけない。胃の中は内側の「粘膜」から「漿膜」まで4つの層が重なっている。胃の中で食べ物を消化してくれる胃酸が、何らかの原因によって胃粘膜まで消化させたために胃壁がただれ、あるいは傷をつけてしまう。これが胃潰瘍だ。
病状の進行(胃粘膜の欠損度)によって、4段階に分類されている。大橋さんは幸い、まだ「軽度」の症状だったが、最悪、ステージ4になると胃に穴が開くという。
勤め先の人事問題で、大橋さんはこの半年ほどストレスがたまっており、同僚たちと毎晩のように深酒をしていた。
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