意外な因果関係 “匂い”が分からなくなったら「認知症」を疑え

果物の匂いがわからなくなったら…(C)日刊ゲンダイ

 嗅覚障害と脳の神経変性疾患(脳や脊髄の神経細胞の一部が失われる病気)との関係を研究している順天堂大学医学部耳鼻咽喉科の池田勝久教授が言う。

「脳の神経変性疾患は早期に嗅覚障害を伴うことが知られていて、代表的なのはアルツハイマー型認知症やパーキンソン病です。脳の中で匂いを認知する部分の変性によって嗅覚障害が起こると考えられています」

■運動障害が表れる数年前から嗅覚障害が生じることも

 最初は、モノの匂いの識別が障害され、匂いはしてもそれが何かは分からなくなる。やがて神経疾患が進行して嗅覚障害も悪化していく。

 手足のふるえや筋肉がこわばるパーキンソン病では、運動障害が表れる数年前から嗅覚障害が生じる。アルツハイマー型認知症などは、その前段階である軽度認知障害の時点から匂いが分からなくなるという。

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